【弁護士が解説】離婚調停の流れと不成立になった場合の対処法
離婚調停とは、夫婦間で離婚について話し合っても合意に至らなかった場合に、家庭裁判所の調停委員が立ち会った上で話し合いを行い、離婚を目指す手続きのことを指します。
離婚調停を行う上では、あらかじめ手続きについて知っておくことや、もしも不成立となった場合にどのように対処すればよいかを知っておくことが重要です。
本稿では、離婚調停の流れと不成立になった場合の対処法について解説していきます。
離婚調停の流れ
離婚調停の流れは、以下の通りです。
申立を行う
離婚調停を開始する場合、管轄の家庭裁判所に申立書類一式を提出する必要があります。
離婚をしたいことやその理由、調停での合意を希望する内容などを記載することになります。
内容については離婚を考えている配偶者にも見られるため、記載事項には注意が必要となります。
書式については、裁判所がウェブ上に掲載しているほか、裁判所に行って直接取得することもできます。
調停期日において話し合いを行う
申立書を提出し期日が決定すると、家庭裁判所から呼出状が送付されるため、それに従って裁判所にて調停委員を交えた話し合いを行います。
調停期日においては、最初こそ相手方と顔を合わせるものの、その後基本的には配偶者が交互に呼び出しを受け、お互いに顔を合わせない形で調停委員と話すことになります。
ここでは申立書に記載したような内容のほか、婚姻生活がどのようなものだったかについて、現在の生活、離婚後のこと、親権や財産分与などの条件面などについて尋ねられます。
また、提訴するつもりがあるかどうかも聞かれることがあります。
この調停は1ヶ月に1回ほどのペースで、平均して1~5回ほど行われます。
調停の終了
調停は成立あるいは不成立の形で終わります。
成立した場合には調停で合意された内容を盛り込んだ調停調書が作られ、また法的にも離婚が成立することになります。
その後は10日以内に調書の謄本及び離婚届を出し、離婚の届出を行って手続きは完了です。
もっとも、不成立になった場合は不成立調書の作成が行われます。
その後の対処法については、以下で解説していきます。
離婚調停が不成立になった場合の対処法
離婚調停が不成立となった場合の対処法としては、以下の方法が考えられます。
裁判離婚を目指す
離婚調停が不成立になった場合、訴訟提起をして裁判を行うことが考えられます。
裁判において判決を得ることで、離婚が成立します。
この場合、法定離婚原因があることを証明しなければならないため、弁護士に依頼して代理人になってもらうのが一般的です。
協議を続ける
夫婦間での協議に立ち戻り、離婚の合意を得ることも考えられます。
もっとも、ほとんどの場合は協議離婚に失敗して調停を試みているため、これによって離婚が成立する可能性は低いかもしれません。
審判離婚に移行する
調停離婚が成立しない場合、まれに裁判官が「調停に代わる審判」を行い、離婚が成立することがあります。
審判が行われる場合として、離婚に関する条件に若干の食い違いがあるために調停が難航したようなケースがあります。
もっとも、審判を行うか否かは裁判官の判断になるため、自分の意思で審判離婚を行うことはできません。
引き続き別居をする
離婚に向けた活動として、引き続き別居をするというものも考えられます。
これによって、将来的に「婚姻を継続し難い重大な事由」が認められ、裁判離婚が成立しやすくなります。
期間としては、3~4年間が一つの目処となります。
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石川 一彦いしかわ かずひこ / 埼玉弁護士会
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昭和38年5月6日生まれ。神奈川県横浜市出身。
人事コンサルとして、多くの企業様からのご相談に対応してきた実績を持つ。
仕事にやりがいを感じ、より多くの相談を受け、サポートを深めて行きたいと資格取得を決意。
2019年に資格を取得する。 目指しているのは「生涯現役」。
常に自己研鑽を怠ることなく、日々の業務に邁進している。
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